捺染と引染


【参考図版】重要文化財 紙本着色職人尽絵 狩野吉信(17世紀)より「型置師」
捺染と引染について、勘違いしていたことがあったので、
自分用メモとして書いておきます。
引染は、この参考図版にもあるように少なくとも桃山時代には
行われていたようです。
型紙を彫り、糊を置き、色を引き、挿す。
参考(京都引染工業協同組合)
友禅染や紅型はこの方法です。(紅型は顔料。参考[琉球びんがたの「ふくぎ」]
型1枚で挿し分け染めができます。ぼかしもできるよ!
捺染は江戸時代末期、合成染料が開発、輸入され、
媒染剤なしで染めることができるようになってできた新しい染め方です。
一番の違いは、布の上に型紙を置き、
糊を混ぜた染料(色糊)を直接載せます。
また、染料を固着させるために蒸熱します。
参考(濱文様)
1色1枚の型紙が必要です。
引染・注染とは型紙の作り方が違います。
(ネガポジの関係になる)
大量生産に向いています。
ぼかしや細かい挿し分けは難しいですね。
手ぬぐいと言えば注染ですが、
注染は江戸末期(要出典)にある程度の廉価な大量生産のために生み出された染色方法で、引染を祖としています。
ばーっと伸ばしていた布を折り畳んでどばどば染料を注ぐという
よく考えると豪快な方法です。
(注染は染料を注いだ後空気を抜くのでちょっと機械が必要)
ポイントは糊ですね。
糊の粘度
【強】←ーーー→【弱】
捺染   引染  注染
これが、できあがりを触って我々が感じる
「ふわっと感」「ぱりっと感」かと。
また、絵柄のやわらかさ(染料の染み込み具合)は
注染>引染>捺染ですね。
手がかかるのは(柄と色数にもよりますが)
引染>注染≧捺染
と言う訳で、裏が染まってない=大量生産ではないです。
ちなみに、顔料捺染ってのもありまして、
いわゆる「プリント」ってのはこれです。
顔料は水も熱も必要ないので、コストと時間の節約になリます。
発色もよく耐水性もありますが、
顔料は布の表面に付着しているだけなので、色が入ってるところが固くなってしまいますね。
最近は顔料系の捺染も進化しているようで、
染料に近い風合いのものもできてきているとか。
■まとめ(多少強引)
「染料引染」→友禅(型染め全般)
「顔料引染」→紅型
「染料注染」→手ぬぐい、浴衣(東京・浜松・大阪など)
「顔料注染」→無理
「染料捺染」→濱文様など(横浜捺染)
「顔料捺染」→完全機械化大量生産プリント
ちなみに
染料=天然は有機物由来、水に溶ける(繊維に染み込む)
顔料=天然は無機物由来、水に溶けない(繊維表面に吸着)
ふう、満足。
間違っていることがあったら教えてください。
参考文献

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA