関東注染工業協同組合・東京和晒株式会社がやってらっしゃる、「手拭実染塾」に参加してきました。
知識として何となく分かっていたつもりの「注染」は、思っていた何倍も奥が深い世界でした。
さて、何の道具でしょう?
ではでは、写真満載でお送りします。
午前中は、練習と言うことで、折り鶴の型を使って糊付から染めまでの一連の流れを実演いただきながら、染めさせていただきました。
和紙に柿渋を幾重にも塗り、彫刻刀で彫られた型紙です。紗を貼って、漆を塗って仕上げてあります。一度作った型は何度でも使うことができます。
この型を型付け台に専用の鋲で固定します。
糊を塗ります。最初の写真は、この糊を塗る「へら」です。
糊からは海藻の匂いがします。
職人さんはいとも簡単にさささーっと塗りますが、いざ塗ってみると、全然できません…。早くも職人への道を諦めかける私…。
1枚塗ったら晒を折り返してまた型を置いて塗るという作業を繰り返します。
この折り返しは熟練の技が必要です!特に一反柄をぴたっと合わせないといけない浴衣生地!
写真は一番上と一番下の、何度も使う生地なので色がついていますが、もちろん真っ白な晒にも塗ります。
糊を塗り終わったら、おがくずの中に放り込みます。
糊の上におがくずをまぶすのです。
いよいよ染めです。
まず、染料がはみ出ないように、糊で堤防を作ります。ケーキのホイップクリームの要領です。
1羽、身体の真ん中に堤防がある鶴がいますが、この子は2色使ってぼかしの表現をするのです。
染料を注ぎ込みます!
注ぐ道具は「やかん」。最初の写真(右)の道具です。
先がすごく細くなっていて、注ぎやすいです。(それでも初めてなのでいろいろ大変)
一番下の布まで届くように、どばどば注ぎます。これぞ注染の醍醐味!(ぬまきえ観)
時々注染台の下にあるこのペダルを踏みます。
そうすると、布の間の空気が抜けて、真空状態になり、それ以上染料が広がって行きません。
注いだら、糊を落とします。じゃぶじゃぶ洗います。
できた!感動!(まだ乾かした先もありますが…)
午前中はここまでです。
午後はいよいよ自分の好きな色で梅柄の手拭いの染めにチャレンジです。
いつも楽しく拝見させていただいています。特に「お勉強」の詳しいご説明が参考になります。
ネットを探してもなかなかみつからない情報なのでこの場をおかりしての質問なのですが、注染に使われる化学染料の毒性とか、染料を洗い流した水の処分の仕方など、環境問題とかエコの角度から何か情報がありましたら、ぜひ教えてください。
コメントありがとうございます。
染色に伴う健康被害や環境汚染については、全然知識を持っていないので、下手なことは言えないのですが、調べたら、こんな事例が出てきました。
(私の名前をクリックしてください)
天然染料で染めても、媒染剤に使う金属が有害なこともあります。
私も染めのための材料を買って染めることがありますが、そのまま下水に流してはいけないものは、その旨が記載されているので中和したりして流します。
染工場はプロですから、もちろんそのあたりは気をつけていると思います。
(染めって化学なんですよねー。。。)