tenrankai

展覧会をやります

8月14日から22日まで展覧会をやります。
まんぼうですけど色々気をつけて開催します。
(まんぼうでも公立ミュージアムを閉めない我が県は素晴らしいと思います←突然の所感)
omoteura

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2015年から活動している「三島の文化応援プロジェクト(みしぶん)」の主催です。
三島で、三島をテーマにした展覧会をやるなら(美術作品を作るなら)どんなテーマがいいか? 考えて、三島を流れる水の音を録音して、作家さんにそれを聴きながら制作をしてもらいました。
三島市民として、どなたにでも親近感を持ってもらえるんじゃないかな〜と考えてのテーマ設定です。

このテーマを考えたのは、みしぶんで一緒に活動していて今回の出品作家である永冶さんで、私は出品作家でもなければキュレーターとも言えない(テーマや作家の選別を主体的にしていない)んですが、でもただの手伝いというわけでもなく、まあマネジメントですかね。
広報とかいろんな交渉ごととか作品を作る以外のことをやっています。
そもそものところで、元々アーティストで、特に地縁がない三島に移住してきた永冶さんが、三島のことに関わってくださっていることに感謝するとともに、永冶さんが作品発表できる場所(作品発表したいというモチベーション)が作れるといいなと思っていました。

出品をお願いする作家さんは、他に、永冶さんの後輩でプロとして実績のある県外在住の立原さんと、三島出身で昨年県外から三島に戻ってきた二村さんになりました。
3人とも女性で東京藝大の修士というなんか強いプロフィールになりましたが、これは偶然です。
まあでも、学歴というか、きちんと学んできたことが強みや支えになることってあるよね(後述)。

展示作業をする作家の皆さん

今回の展覧会の予算は、コロナ禍でのアーティストを応援するふじのくに#エールアートプロジェクトの助成です。
だいたい半分をアーティストフィーに、もう半分を映像制作や広報等の展覧会運営費にしました。
新作を作ってもらうので、制作費必要ですからね。

私も含めて4人は大体同じ世代(アラフォー)で、全員結婚していて3人は絶賛子育て中です。
実は、40代の女性アーティストって、同世代の男性、また他世代の女性に比べて少ない傾向にあります。
ライフステージ的に、制作活動を続けることが難しいんですよね。
美術大学の学生のだいたい7割が女性であるのに対し、女性教員は2割程度。
高い学費を払って美術を学んだ女性たちは、どこにいってしまうのでしょう?
https://bijutsutecho.com/magazine/series/s21/19922

2019年あいちトリエンナーレ芸術監督の津田大介氏が「参加アーティストの男女比を半々にする」と宣言し話題になりましたが、アート業界のジェンダーギャップは、他の芸術分野(音楽、身体表現など)やスポーツなどでも同様に、女性が鍛錬して技芸を高める系のキャリアを積みにくい現状を現しています。
(多分、自分と向き合い集中する時間が必要なプロゲーマーや研究者なんかでも難しいんじゃないかな)
結婚や子育ては、女性を自分本位にすることを難しくします。
それは当然男性でも同じはずなんだけど、やっぱり現状女性の方が利他的にならざるを得ないように思います。

それでも、経済活動に結びつきやすい技能や低コストでできるもの(パソコン1台あれば、とか)、定収入や所属があれば続けやすいでしょうが、趣味でもなければ仕事でもないアーティストとしての活動にモチベーションを保つのはとても困難であると想像できます。
表現って、経済活動とは別の、人が人としてあるために不可欠なものなので、お金にならないから必要ないとか、無くても死なないから必要ないとか、そういう天秤にかけるものではないんですけどね。

でもやっぱり、小さな子供がいる環境では、制作するにも空間や材料が制限されます。
ダイナミックな作品を作る環境や、集中して作品に取り組む時間を整えるのは難しいです。
私の配偶者は(兼業)アーティストですが、家の中で臭いがある油絵具やかぶれる可能性のある漆を使うのはやめてくれと言いますもの。
(実際漆で私の手が荒れて今も完治しません。家庭内健康被害…)
気遣う人であればあるほど、やめる気がなくても、アーティストとしての活動は「いつか、時間ができたら」といつ来るかわからない「いつか」に先延ばしされてしまいます。

だから私は、何かを諦めたり犠牲にしなくても、生活者として普通に過ごしている中で、専門的な技術や才能がある人が、それに取り組める環境を作りたいなと思っています。
小さな力しかありませんが、町に1人くらい、そんなことを気にしている人がいてもいいじゃないですか。
地域の文化活動を応援するって、まだ見えてない可能性をひとつでも拓くこと、隣人に寄り添うことだと思っているので。

というわけで、ママ友とか、身近な人に来てもらいたい展覧会です。
打ち合わせは子供がいない平日の午前中。
送り迎えの時間があるので、展示作業は9時から5時まで。
それでも妥協しない、高いクオリティの素晴らしい作品ができました。
どうぞお気軽にお越しくださいませ。

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