紹介する手ぬぐいがないわけではないですが、
勉強モードになっているので
興味がある方だけおつきあいください。
白い晒が少し手元にあるので、
夏の自主的ワークショップとして
なんか染めてみようと思って、
染色の本を探しに図書館やら書店を回ってみたのですが
どうも草木染めの本ばっかりなのねー。
私は最初からスレンなど化学染料で染めようと思っていたので
どうにも…。
皆さんがお持ちの注染の手ぬぐいは、
ほとんど化学染料で染められています。
天然染料で染めているのは、私が知っている限りでは
染屋さんだけです。
天然染料と言うのは、所謂草木染めです。(あと墨とか虫(コチニール)とか)
19世紀に化学染料が発明されるまで、世界中で植物や一部鉱物を使って染色が行われていました。
天然染料は、ウコンや藍などごく一部を除き、媒染剤(金属塩いろいろ)がないと色を布や糸に留めておくことができません。
でもって、藍をのぞいては、濃く染めるのに「お湯」と「時間」が必要です。
注染は時間をかけずに染める方法です。
染料をどばどば注ぎ、すぐに布と布の間の余分な染料と空気を
抜きます。
天然染料を濃く染めることは注染ではできません。(多分)
天然染料でできる手ぬぐいの染め方は、
浸染、抜染(染めてから部分的に色を抜く。漂白剤でできるよ)、絞り染めかな。臈纈(糊の代わりに蝋)もできるかな?
でも、型を使わない手ぬぐいは、
私の中では手ぬぐいではないですねえ。
もっと高級で、作品に近い染め物だと思います。
藍はどうなんだろう。注染できるのかな。
型染めはできますよね。
染め物は自分でやろうとすると、
結構化学の知識が必要なんですよねー。
まあこれは工芸全般に言えることですが…。
注染の面白いところは、
手ぬぐいと浴衣のみに特化した染め方である点です。
綿だからうまく染まる、
ある程度の大量生産ができる、
型を使うのに染めムラ、にじみなどギャンブル的な要素があり、
そこが味になっている。
(これが呉服だったらいろいろ大変ですよ)
ところで関係ないのですが、
来週夏休みで岡山市と福山市と広島市と益田市に行くのですが
手ぬぐいポイントをご存知の方、教えてください!
ここにするコメントではないのでしょうが、「きんもくせい」手ぬぐいをありがとうございました。
額にいれて飾っています。とってもきれいな色で秋らしく、気に入っています。見た人も「ほっとする」と云ってくれています。
ところで、この手ぬぐいは金木犀の香りを表現しようという画期的な試みだったのではないですか。鹿の親子とともに、みている私たちまで金木犀の香りに包まれているような気持ちになってきます。
ほんとに金木犀が香ってくる時期が楽しみになりますね。
ありがとうございました。
それでは、勉強も創作も収集もがんばってください。ブログを楽しく読ませていただきます。
>こにしさま
コメントありがとうございます。
恐れ多いほど大切にしてくださってとても光栄です。
香りを表現できたか分かりませんが、
せっかくきれいな色が染まる注染なので
色で私が好きな地元の景色というか雰囲気を
手ぬぐいに閉じ込められたらいいなあと思っています。
たのしく拝見させていただきました。私は注染で紺屋をやっているものです。その昔、東京の紺金で本藍を注染で染めていたといいます。ただし、藍を苛性ソーダとハイドロサルファイトで建てたもので、草木染めとは言いがたいものだったといいます。しかもインド藍だったので堅牢度もなく、趣味程度にしかならなかったといいます。田中政男氏の本に詳しく載っています。現在では入手できないので古書としてあったら即買いです。それから手ぬぐいは昔ながらの紺一色、これが最も古く、もっとも新しい、最高のものだと僕は思います。ただしこれは日本で数人しか使いこなせません。それくらい注染はすさんでいます。僕はそれを最盛期のレベルまで引き上げるべく仕事をしています。
それよりももっと大事なことがあって、今現在、伊勢型紙の後継者がまったくいません。まずは伊勢型紙を救うのが先決です。
長文で失礼しました。
>そうやさま
ああ、本職の方からのコメントが!
藍の注染、前例があるのですね。ありがとうございます。
私はユーザーとしての見方しかできないのですが、
今の伝統工芸全般に見られる後継者と需要の不足と言う慢性的病の中で
注染(手ぬぐい)は比較的いい形であるんじゃないかなあと思います。
生産の現場ではきっといろいろな思いがまたあるのだとも推察するのですが。
とにかく私に出来ることは使うことなので、
そうやさまの注染にも出会えたら大切に使わせていただきます。